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ニレ科の広葉樹。日本古来の木で、昔から家具や床、天井などの建材として広く利用されています。心材の仕上がり部分を磨くと光沢が出ます。心材は黄褐色、辺材は灰白色で、堅くて耐久性もあり日本の木材には欠かせない樹木となっています。

トップページ > お仏壇について > 欅(けやき)
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ケヤキの名称
ケヤキは樹木としての評価からも、また木材としての価値からも、日本の代表的な木の一つである。落葉高木でケヤキの語源は「けやけき木」すなわち顕著な木だという牧野富太郎の説が『牧野・新日本植物図 鑑」に出ている。しかし国内各地にケヤという方言があるので、あるいは何か違った意味があるのかもしれない。またケヤキの名称は近代の言葉であって、古くはツキと称し万葉集にはすべてツキの名称で出ている。 例えば高市黒人の歌で「とく来ても見てましものを山城の高のつき群(むら)ちりにけるかも」などがある。現代でも和歌や俳句ではツキと呼ばれている方が多い。「吹流しすがしや観(つき)と粒び立つ」(秋桜子)といった句もある。ツキの意味は材が強籾なことによる強木(つよき)からであるとされている。なお材についてケヤキとツキを別個の対応したものとしていう場合もあるが。ケヤキの漢字には欅が、ツキには槻が広く使われている。牧野富太郎の説によれば中国の欅は全く違ったクルミ科シナサワグルミ(カンポウフウ) のことであるというが、現在中国ではケヤキ属標準名に欅樹が用いられている。種としてのケヤキの中国名は光葉欅ある。欧米にはこの種がないので、英名でいう場合には日本名そのままにkeakiまたはkeaki tree、あるいはzelkovaを用いる。

ケヤキの概要
高さ35m・直径2mにもなる大高木で老木ではもっと大きいものもある。幹はふつうまっすぐでこれから分かれた枝がほうき状に上向きに伸び、広葉のうちではきわめて整った形をしている。樹皮は灰白色で、壮齢まではおおよそ平滑で多少横しわがある程度であるが、老木になると大きな鱗片になって剥げ、あとは独特の雲紋状の凹凸になる。葉は枝に2列になって互生し、長い楕円形から卵状楕円形、長さ3〜7cm、先端は鋭尖で基部は円形から浅い心臓形になる。栗縁には疎くて多少大きな鋭い鏡歯があり、この葉の形はほかのものと間違えることは少ない。側脈は8〜18対あって、葉の上面はざらつく。花は4〜5月に葉と同時に出るが、大きな樹で上の方の新しい枝につくのと、淡黄緑色の小さい花なので通常は目立たない。雌雄同株で雄花と雌花または両性花とがあり、10月に灰黒色で直径5mmくらいのいびつな扇球形のそう(痩)果に成熟する。秋、落葉のとき大きい樹では小枝も葉といっしょに落ちてくる。牧野富太郎が葉の両面と葉柄に密に毛があるものを変種としてメゲヤキとしたが、これは支那産のトウゲヤキと同一のものだろといわれている。 また台湾産のケヤキは別の種類タイワンゲヤキとする説があるが、ケヤキと同一種と見てよいようである。シダレケヤキは枝が下垂する傾向を示す品種である。

生育地と巨樹、名木
ケヤキの自然の分布は本州、四国、九州、朝鮮、 台湾、支郡の温帯から暖帯で、肥沃な谷間などに好んで生育している。また農家のまわり、神社、お寺の境内などにも多く植えられていて、いわゆる屋敷林の一つである。ことに関東地方ではよく目につき、武蔵野の風趣を形作っている。さらに広く全国各地で庭園樹、公園樹、街路樹に多く使われており、これら植栽用の苗木の産地として関東では埼玉県安行(あんぎょう)がよく知られている。東京都内にもケヤキが多いが、最近排気ガスの害を受け一般に樹勢が著しく悪くなり、ひどいときは夏に一度落葉してしまうものがある。天然木では宮城県から福島県へかけての阿武隈山地、伊豆天城山、奥利根、十和田湖周辺、熊野地方などが古くからその名産地として知られているが、現在は各地ともかなり少なくなっていると思われる。宮城・福島・埼玉県ではそれぞれ県の木に選定されている。ケヤキは寿命が長く、各地で巨樹、名木が天然記念物に指定されている。日本最大のものは岩手県東根市にあるもので、高さ35m、樹齢1000年以上といわれる。また東京都府中市馬場大門のケヤキ並木も有名であるが、現在は約60本が気息えんえんとして残っていて樹齢300年から800年と推定されている。

材の組織
磯孔材で年輪は明瞭に見ることができる。辺材と心材の区別ははっきりしていて辺材は淡い黄褐色、心材は黄色味がかった褐色から紅褐色である。肌目は粗い。顕微鏡的な材の構成要素とその占有割合は、道管14.3%、真正木繊維58.5%、軸万向案組織16.7%、放射組10.5%である。横断面で見ると、年輪の内境すなわち孔圏に大きな道管が、おもに1層ときには2層並んでいるので縦の材面で木理がきわめて明快に現れる。この孔圏道管の径は0.1〜0.25mmで、これがほとんど1層であることでヤチダモ、ハルニレ、キハダなどの似た環孔材と区別することができ、同じく孔圏道管1層のハリギ リとは材色で区別できる。孔圏の大道管はふつう単独でそのまわりや年輪の境にそって小径の道管が集まり帯状または団塊状に接続している。また孔圏外でも小径道管が単独または花模様状や接線方向に並んでかたまって存在している。
小径道管の径は 0.02〜0.06mm、まれに0.1mmである。孔圏の大道管のせん孔板はほとんど水平、孔圏外小道管では傾斜しともに単せん孔で、小道管の内壁にはらせん肥厚がある.材の基礎組織を形成しているのは真正木繊維で、長さ1.2(0.8〜2.0)mm、径0.01〜0.02 mm、壁厚0.003−0.005mmである。軸方向柔組織は大部分が大径道管と小径道管群を囲む周囲柔組織で、そのほかに小径道管群の中に混在しているものと、数細胞層のターミナル柔組織とがある。柔細胞の径は0.01〜0.025 mm、壁厚は 0.001〜0.0015 mmある。放射組織は接線方向に1〜8細胞幅、軸万向に1〜50細胞高の異性のもので、大部分は平伏細胞からなるが、上下両縁と周辺に直立細胞が現れ、ときにその中に修(しゅう)酸石灰の結晶を含んでいる。木理がはっきりしているために老大木ではよい杢(もく)が現れるものがあり、模様によって如鱗(にょりん、じょりん)杢、玉杢、 頚(うずら)杢、牡丹(ぼたん)杢などといわれる。

材の利用
材はやや重くてかたいが切削などの加工はそれほど困難ではない。比重に対応して強度も大きく、また大木で年輪幅の狭いものでは狂い少ない。心材は水温に対して保存性がきわめて高い。材の肌目は粗いが、仕上げ面を磨くとよい光沢が出る。木理が明瞭で美しいこと、強度が大きいこと、耐朽性があることの三拍子がそろっているので、わが国の広葉樹材では第一番の良材であり、構造材にも装飾材にもすこぶる用途が広い。建築材としては柱、梁などの構造材、階段、棚、床(ゆか)板、門と扉、板戸、障子・ガラス戸の腰板、洋室壁板、天井、床(とこ)まわりなどの造作材・装飾材の何にでも賞用される。最近は広い板物にはスライスドベニヤをはった合板で用いられることが多い。昔からとくに社寺建築材にヒノキと並んで最も重要であった。家具材では和家具に箪笥(たんす)、座卓、火鉢、仏壇などがあり、また各種の洋家具にも取り入れられている。器具材にも多方面に使われ、漆器の盆・椀、臼と杵(きね)、太鼓の胴、いろんな柄類、機械の部材などが割合特色がある。車両材、船舶材でも構造材および内装材に最も重要なものであったし、また橋の欄干(らんかん)や橋板、枕木にも多く使われてきた。とくに近年までは電柱腕木として他に代えることができないとされてきた。 そのほかに彫刻材、薪炭材などの用途もあげられる。

材としてのケヤキとツキ
植物学的にはケヤキとツキは同一で、ツキはその古名と考えてよいが、材を扱う上で音からケヤキとツキの区別がよくいわれている。ただ処により、人によりかなり違った内容すなわち材の色やかたさの表現とその評価がいろいろあるので、これを整理することはむずかしいがおおよそ共通なのはケヤキがよい材で、ツキはそれに劣るということである。次のように考えるのが比較的妥当ではないかと思う。ケヤキとツキは遺伝的な品種の違いではなくて、その樹の育った条件によって材の性質が違ってできたものであろう。生長がよい状況、すなわち幅広い 年輪が作られる場合は材の赤味が少なく重くかたい材ができる。それは生長の良否によって大径道管が並ぶ孔圏の幅がほとんど変わらないのに、孔圏外の繊密な材部の形成される割合が著しく変化するからである。したがって生長のよいものは加工が困難であり、材に狂いが出やすい。これがツキで、アオゲ ヤキ、イシゲヤキというのもこれに相当する。そうでないのがケヤキで、ホンゲヤキ、 アカゲヤキ、ベニゲヤキなどというのもこれに当る。おそらく若木ではツキに当るものが多く、本当によいケヤキの材は老大木からのものと思われる。支郡東部・中部産で、材の気乾比重0.79、縦圧縮強487kg/cm2、 曲げ強さ301kg/cm2、曲げヤング係数12.6×04kg/cm2である。
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