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マメ科の落葉樹。北海道・四国・九州・台湾・韓国・中国と幅広く生息しています。辺材は幅狭く黄白色で心材は暗褐色です。やや硬く粘りのある木質で、加工はしにくいですが表面仕上げは逆に行いやすく、磨けば光沢が出ます。家具・床柱・斧の柄など強度が必要とする建材として用いられています。
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エンジュの名称と分布
エンジュはマメ科またはソラマメ亜科またはソラマメ科の落葉高木で、学名はSophora japonica linnaeusで、種名の中のjaponicaは「日本の」という意味であるが、支郡原産のこの樹を日本産と思ってつけられたものである。エンジュは『和名鈔』に出ている古い名称エニスの転化したものであるが、エニスは元来わが国に自生するイヌエンジュルの名であるとされている。それゆえ牧野富太郎は、ここにあげる支那原産のものにシナエンジュの名を与えたことがある。なおイヌエンジュは各地で広くエンジュと俗称されており、ことに木材ではすべてエンジュといわれているといってよい。ここであげる現在の標準和名エンジュにはなおコエンジュ、キフジ、カタクミなどの呼称もあり、漢字は槐と書かれる。中国名には槐樹、槐、鬼木、小槐、白槐、守官槐などがあり、英名はJapanese pagoda tree、Chinese scholar treeである。エンジュの原産地は支那北部、朝鮮であるが、現在は自生のものは稀にしか見られないといわれる。しかし各地に広く植栽されており、ことに北京市内に多い。わが国には古く仏教の伝来とともに入ったといわれ、庭園樹として植栽されことに寺院・神社や公園に多い。病虫害や大気汚染に強いので、現在は郡市の街路樹としてよく用いられており、東京ではプラタナス・イチョウに次いで多く使われている樹である。かなり古い名木として知られているものが二・三ある。和歌山県有田郡湯浅町国津神社にあるものは樹齢約800年で高さ約15m・地上15mの周囲が約3mあり、福岡県粕屋郡宇美町宇美八幡の「子安の木」は高さ約9m・地上15mの周囲が約2mと記録されている。

エンジュの概要
樹は高さ25m、直径lmまでに達するといわれるが、わが国でふつう見られるのは高さ10〜15m、直径50cmぐらいまでである。樹幹はやや直生しよく分枝した樹冠は倒卵形から球形などを呈する。樹皮は灰黒色で縦に多くの割れ目が入る。若枝は緑色でごく小さい白毛を密布する。小枝を折ると一種の臭気がある。葉は互生する奇数羽状複葉で長さ13〜25cmあり、7〜15個の小葉は卵状長楕円形、狭卵形などで長さ2〜4.5cm、幅1.5〜2.5cm、鋭頭または鈍頭で微突端、基部は円形または切形・全緑である。上面は深緑色で小さい伏毛があり、下面は緑白色で白い伏毛が多い。小葉柄の長さは約2mm、托葉は線形、長4〜8mmで早く落ちる。7〜8月に開花し雌雄同株、小枝の頂端に円錐花序を出し長さは15〜30cm。花は多数であるが割合疎らにつく。包は広卵形でごく小さく早く落ち、小包は2個で長さ約0.5mm。花は鱗形花で長さ1.2〜1.5cm、がくは杯状で長さ約3mm、上端は鈍い5歯になり白い緑毛がある。花弁は黄白色で旗弁は広心臓形で反巻して立ち基部は細く短い爪となる。長さ約12mm。翼弁は長楕円形で長さ約10mm、龍骨弁は円頭で旗弁とほぼ同長。雄ずしは10個で離生し長短不ぞろい。雌ずいは1個、花柱は少し内曲し柱頭は小さい。樹上の花はわかりにくいが、地上に散乱した淡黄色の落花はやや目立つ。10〜11月に熟する葵果は下垂する念珠状の円柱形で長さ2.5〜10cm、先端は長いくちばし状になり、初め圧毛を疎生するが後にほとんど無毛、やや肉質で粘液を含み裂開しない。果皮は甘い。1〜4個ある種子はやや扇平な卵形で長さ約9mm、褐色である。栽培品に技が下垂するシダレエンジュ(中国名:龍爪槐),変種に翼弁・龍骨弁が紫色を帯び葉下面の毛が多いムラサキエンジュ(中国名:紫花槐)がある。

材の組織,性質と利用
材は環孔材で、辺材・心材の区別は明瞭,辺村は黄白色,心材は暗褐色である。生長輪は明瞭で肌目はやや粗い。フラボン反応を示さない。材の顕微鏡的構成要素は道管,真正木繊維,軸方向柔組織と放射組織とである。孔圏の道管はふつう 3〜5層、ときに1〜2層、単独または2〜3個が放射方向・斜方向に接続し12〜18/mm、孔圏外への推移はほぼ急・ときに綾である。単独道管は卵形、楕円形などで径は0.2〜0.35mmある。孔圏外では単独のものと2〜10個が各方向に団塊状に接続するものとがほぼ均等に散在し、団塊単位で0〜30/mmある。1個の管孔の径は0. 015〜0.15 mm。せん孔板は孔圏で水平に近く孔圏外のものは傾斜し、単せん孔.接続道管の間の有縁壁孔は多数が交互配列し、径は約0.008mmである。チロースは稀で著しくない。真正木繊維の並び方はやや不規則で、長さ0.7〜15mm、径0.015〜0.025mm、壁厚0.002〜0. 005mm。隔壁木繊維が存在するが多くない。軸方向柔組織では周囲柔組織が孔圏でよく発達し道管の間を埋めてほとんど基礎組織をなしている。孔圏外では接続道管群を囲んでやや翼状となり、管孔上下で1〜3細胞層、横に5細胞幅まで伸びる。散在する柔細8包は存在するが少ない。ターミナル案組織は1〜5細胞層である。放射組織は1〜6細胞幅で単列のものが少なく、3〜40細胞高。ほとんど平伏細胞からなる同性、ただし上下両端1層はやや方形細胞になる傾向を示す。材の気乾比重は067〜092の範囲の記載があり、079のもので縦圧縮強さ505kg/cm2、曲げ強さ1.073 kg/cm2、曲げヤング係数115×104・kg/cm2を示す。概してやや重硬・強籾である。材の用途は建築内装材・家具・器具(道貝の柄など)・仏壇・楽器(三味線の胴)などがあり、彫刻・旋削も行われまた薪炭材になる。ただし諸書にエンジュの材の用途をいろいろあげてあるが、その多くはイヌエンジュについてのもので、混同しているものと考えられる。 このエンジュの材は市場に出ることはほとんどない。

材以外の利用とエンジュの説話,文学
エンジュは材よりもほかの部分の利用が知られている。花蕾を乾したものを漢方で槐花・槐米(カイベイ)・槐花米といい、フラボノール配糖体のルチン(rutin,またsophorinという)を10〜25%含み、止血・鎮痛などに用いる。また血圧降下剤ルチンの製造原料となる。莱果は槐実・槐角といい、これも止血・痔の薬となる。槐花はなお布および紙の黄色染料として知られており、樹皮も栗色の染料になる。中国ではまた次の利用がある。芽はゆでて苦味を去り飯に混ぜて食べ、乾かして茶の代用にすることが古くから行われている。樹は蜜源植物として知られている。かつて葉と果実の抽出物を阿片の混ぜ物にすることが行われた。エンジュは中国では尊貴の樹とされている。周の時代に朝庭に3株の槐を植え、これに面して大師・太伝・大保の三公が座したので、三公の位を槐位・槐門といい、また大臣になることを任槐といった。このようなことから高官の官位についたとき、あるいは退官したときに記念に槐を庭に植えることが行われ、それが一般にも拡がった。ほかにもエンジュに関する歴史的な記録や説話が中国にいくつかある。.わが国では次の説話が井上頼寿の京都民俗志に出ている。醍醐帝が雷をひどく嫌われたので、空海が槐を加茂川東岸に植え、雷は皆その方に落ちるようになったという。また「うち茂り槐は水の面覆ひたり日光さびしき夏となりつつ」(宮柊二)、「ゑにすの木花はこぼれて梅雨あけの夕雲遠くあからみにけり」(松村英一)、「寿を守る槐の木あり花咲きぬ」(虚子)とも記されている。お仏壇店によってはこのえんじゅを「延寿」とかいて槐かわりにしているところもある。「槐」は「おに」と書くのでそれをさけて縁起のよい「延寿」にしたといわれている。
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